<事例報告>
当院の取り組みから見えた、中小規模施設における心臓MRI検査の普及の可能性
和田梨奈 栗林武志
医療法人純正会 名古屋市立緑市民病院 診療技術部 放射線技術科
【要旨】
心臓MRI検査は検査手順の煩雑さや、MRI装置のスペックなど新規に開始するにあたり考慮すべき点が多く、中小規模施設では開始へ踏み込めない現状がある。名古屋市立緑市民病院のMRI装置は2010年の導入後、ソフトウェアの更新などは実施していないが心臓MRI検査に精通した循環器科医師の指導の下、心臓MRI検査の経験が豊富な放射線技師を中心に新規に開始を試みた。撮像方法は再現性の高い小児循環器領域に用いられる撮像プランニング方法を採用した。新規に検査を受け入れるにあたり、複数の診療放射線技師にてボランティアの撮像を実施し、撮像プランニング時の技師間の差異について評価を行ったが有意差は認めなかった。また当院にて施行した患者に対し放射線技師と医用画像処理用ワークステーションの自動解析の結果では画質不良より差異が認められた。そこで複数の放射線技師が画像解析を実施し評価を行ったが差異は認めなかった。当院同様の中小規模施設においても新規に心臓MRI検査を開始することは可能であり、検査を普及することは可能と考えられる。